身体のための日常の動き

肚感覚を育む「ペットボトル運動」~実践編~

肚感覚を育む運動として、今回は2つの「ペットボトル運動」を紹介します。大切なのは、筋肉を鍛えようとすることではありません。水の重さと動きを感じながら、動きの「しん」が通り、肚感覚がつかめるようになると、心身の落ち着きにつながります。

1.ペットボトル・スクワット

水の入ったペットボトルを両手に持ち、身体の前方に抱えるようにフワッと持ちます。両足は、肩幅よりやや広めに開いて立ちます。そこから、ゆっくりと腰を下ろして行き、腰を下ろしたところから、今度は、ゆっくりと腰を上げて行き、立位に戻ります。

前方に抱えたペットボトルの重さを感じられることで、身体の前後のバランスが取りやすくなり、肚を中心とした安定した位置を探すことができます。その結果、膝にも無理な負担がかかりにくくなります。勢いや反動をつけたりしてはいけません。鉛筆で一本の線をゆっくりと描くような感覚で、行うことです。

2.ペットボトル・サイドアップ

水の入ったペットボトルを両手に持ち、身体の両側に腕を自然に垂らします。握りしめず、なるべくフワッとした感じで持ちます。両足は、肩幅よりやや広めに開いて立ちます。

そこから、両腕を身体の横から弧を描くように、ゆっくりと開きながら持ち上げます。最初は肩より少し高いところまで上げ、同じ軌道を通るようにゆっくりと下ろします。肘は固く伸ばしきらず、自然に伸びた状態にします。勢いをつけず、ゆっくり行います。

ペットボトルを持って腕を上げ下げすると、左右の重さの間にある身体の中心軸と肚を感じやすくなります。

慣れてきたら、両腕をさらに上げ、頭の上までペットボトルを上げて、同じ軌道を通るようにゆっくりと下ろします。呼吸を動きに無理に合わせる必要はありません。息を止めず、普通に呼吸しながら行います。

※ 使用するペットボトルについて

2L程度のペットボトルを2本用意します。重い、あるいは太くて持ちにくいと感じる場合には、1.5Lのものでも構いません。手でつかみやすい形状のものを選びます。ペットボトルは握りしめません。主に親指と中指を中心に、フワッと持ちます。指や腕、肩に余計な緊張が入らないことが大切です。

水の量は、体格や筋力に合わせて調整します。目安として男性では2L程度、女性では1L程度から始めてもよいでしょう。大切なのは、ペットボトルを水で満タンにしないことです。中に少し空間を残しておくことで、身体を動かしたときに水が流れます。水の重さが移り、その変化が手から身体へ伝わってきます。この水が流れる余地が重要です。

鉄アレイのような固い重りでは、重さそのものは感じられても、中身が流れて変化することはありません。この運動では、単に負荷をかけるのではなく、水の流れと重さの変化を感じながら、それに身体を合わせていくことを大切にします。

※ 回数の目安

基本は1日1回です。思ったより重い、あるいは身体がきついと感じる場合には、無理をせず2日に1回程度でも構いません。

1回につき1.と2.の運動を、それぞれ5~10回を目安に行います。回数を多くすることが目的ではありません。やり過ぎると、かえって身体の感覚が鈍くなります。「鍛える」のではなく、ゆっくりと動きながら、水の重さ、流れ、そして自分の身体の中心や肚を感じること。それが、この「ペットボトル運動」の目的です。