九月二十二日(火)
朝、奈良公園。すがすがしい空気。江戸三を通り、鹿にあいさつをしながら浮見堂。白鷺に会う。
洞水門で水琴窟の音色を聴けた。最初、鳴っていなかったのだが、地元のおじさんが来て教えてくれた。このおじさん、愛子と名付けた女鹿をしたがえた大磯出身の奈良の大学の先生だそうで、とても気さくな方であった。
志賀直哉旧宅から新薬師寺へ。途中、シャインマスカットを600円で買い、食べながら気持ち良く歩いた。
先生御夫妻達と東大寺へ。大佛殿前の敷石が、中央からインド、中国、韓国、日本の石であるのを、先生が〝次第に石の感触が、かたいものになっている。“と、おっしゃる。日本の石の感触が一番かたいのだということが面白く思えた。大佛殿は、さすがに開放的で、何か天から降りて来る感じさえ抱かせてくれた。先生と一緒に居ることも大きいのだと思う。
《高太郎》さんから紹介していただいた「香りと古道具kal」さんへ。
目のきれいな、誠実感の有る好男子な御主人で、とても楽しかった。
菊水楼の《うな菊奈良本店》にて、昼食会。
〝大佛殿前の敷石、日本の石が一番かたかった。日本はそれだけ厳密であるということ。厳密な認識での「かたさ」であれば良いけれど、思い込みの過敏でかたいのでは良くない。“ と、先生。
歩いて近鉄奈良駅へ。15:05、難波駅着。御堂筋線で梅田駅へ。タクシー乗場までかなり歩く。タクシーに乗って[ウエスティンホテル大阪]へ。少し休んで、中自然の森を散策して、タクシーで《藤市》へ。
《梅市》で約10年修行した店主が2024年に34歳ではじめられたそうで、『こだわりは、素材に無理な手を加えず、その魅力を最大限に引き出す〝生成料理“。』だと、御自身のホームページには有る。師匠から受け継いだものを、自分なりの創意工夫で伝えて行きたいという、誠実な方向性を感じさせてくれるお店で、気持ち良い時間をすごせた。
タクシーで道頓堀へ。この渾沌たるエネルギー感は、今の日本人は、味わっておくべきものだなと感じた。奥様の御要望で訪れたのだが、〝来て良かった。来てみるべきところでしたね。“ と、先生は、言われていた。
